遺産分割前の預貯金の払い戻し制度

遺産分割前の預貯金の払い戻し制度とは
口座名義人が亡くなった場合に、口座名義人の預金(相続預金)が遺産分割が終了するまでの間、相続人単独では相続預金の払戻しを受けられないことがあったため、相続人が当面の生活費や葬儀費用の支払いなどのためにお金が必要になった場合に、遺産分割が終了する前であっても、各相続預金の払戻しが受けられるよう、平成30年7月の民法等の改正により、相続預金の払戻し制度が設けられたものです。

上記の制度趣旨に基づけば、比較的短期のうちに払い戻しを受けられることを前提としているように思われます。

もっとも、先日以下のようなことがありました。

父が亡くなったため、葬儀のための費用に充てるために、早急に銀行の払い戻しを受けたいとの依頼がありました。
そこで、上記の遺産分割前の払い戻し制度の活用を強く勧めた上で、ある銀行に当該手続きを行いたい旨を相談すると、申請から払い戻しまでの期間は早くとも3週間程度、厳密にいえば制度の運用実績が少ないため払い戻しまでの期間が読めないとの回答がありました。
結局、相続人全員の同意を得たうえでの、通常の払い戻し手続で払い戻しを受けました。

私も法改正後初の緊急の払い戻しを要する事案だったため、勇み足でこの制度に突っ込んでしまったのですが、今後は実際の運用を確認したうえで、皆様にご提案していきたいと反省した次第です。

ただ、こういった制度は法改正があっても、現場が対応するつもりがないと形骸化してしまうのではないかという不安を覚えました。
相続人(特に配偶者)は被相続人の死亡によって一時的に大きな損害を被る可能性がある点に鑑みれば、制度改正後迅速な対応を求めたいと感じました。

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